赤色赤光

成道会。苦悩を学ぶということ。

2012年12月10日

 128日は、お釈迦様がお悟りをひらかれた成道会にちなみ、当園では小学部蓮塾の「成道会親子フェスティバル」を開催しました。はじめての試みですが、80数名の親子が参加してくださいました。音楽法要や写真家北川孝次先生のスライドショー、親子ゲーム大会など、たのしいひと時を過ごしました。

 

 

 お釈迦さまの悟り(解脱)の内容を、わかりやすく説明するのは容易ではありません。ただ、はっきりしているのは、「人生は苦である」と定義したお釈迦さまは、苦悩を否定したわけではなく、苦悩をどう生きるのかを指し示したということ。これは人類の知性を考える上でとても大きな意味を持つと思います。仏教に限らず、あらゆる宗教は巨大な苦悩から生まれたのです。
 
現代の教育は、子どもに悩むことを教えません。親もまた同じです。理解すること、効率的であることを求めるが、正解のない課題を抱えようとしない。見えないもの、わからないものこそたいせつなのに、教育は「悩みは悪だ」といつも遠ざけてしまいがちです。パドマ幼稚園が仏教を建学の精神とするのは、つまり苦悩こそ学びの出発点であると自覚しているからであって、それこそお釈迦さまの生き方に倣ったものなのです。
 むろん、子育ては悩むべき、と言いたいのではありません。しかし幼少期の子どもは、教師や親の思い通りにならない。教える構えが見えた瞬間、子どもは大人の虚心を見破ってしまいます。強いていうなら、自分の思うようにいかないが、その前でもがきながら、けれど子どもを信じてなおともに生きようとする姿こそ、最高の「悩む」教師なのかもしれません。そして、苦悩を知らない者は、祈りの本質を得ることがない。宗教教育が祈りを基調とするのは、そういう訳だからなのです。

 

 明日は、成道会遊戯会。今から楽しみです。

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