赤色赤光

無事を誓う。「行ってきます」の心。

2019年6月11日

今日は年長児の仏参で、「行って来ます」「行ってらっしゃい」のお話をしました。5歳児の仏参では、英語に訳せない日本語の挨拶についてお話ししています。(これまで「ありがとう」「もったいない」「おかげ」を話しました)。

皆さんは毎朝、園バスに乗る時、幼稚園の玄関でお父さんお母さんと別れるとき、なんとご挨拶しますか。そう「行ってきます」ですね。そうすると必ず「行ってらっしゃい」と見送ってくださる。
「行ってきます」は「幼稚園でがんばってきます」という意味と、もう一つ大切な意味が含まれています。漢字で書くと「行って来ます」、つまり「行って」「帰ってくる」という、出発する段階からすでに無事帰って来ることを宣言しているのです。だからお母さんが見送ってくれる「行ってらっしゃい」も、「幼稚園で楽しんで来てね」と「無事に帰ってきてね」という願いが込められています。
無事とはとりたてて変わったことがないこと、怪我をしない、病気をしない、事故に遭わない、ごく普通に、当たり前の生活を過ごすことです。当たり前だけど、それはとても大切なこと、尊いことです。

園長先生は時々、遠くへ出張します。東京や九州や、時には外国へ出かけて、何日も幼稚園を留守にすることがあります。その時には、み仏さまに「行って来ます」とご挨拶します。旅の途中で、事故があったり、怪我をしたり、食べ物に当たったり、慣れないところで何があるかわかりません。また、留守の間、子どもたちや先生方に事故がないよう、怪我をしたり、病気をしないようお祈りします。そして、帰って来たら必ずみんなと再会できるようお願いします。御仏様は黙って「行ってらっしゃい」と見送ってくれるのです。
いえ、旅行や出張だけではありません。あなたたちも、そうです。毎日、当たり前に幼稚園にきているけど、地震や台風はいつやって来るかわかりません。不幸なことだけど、車にははねられたり、変な人に傷つけられてり、そんな事故や事件も世のなかにはあるのです。
人は外へ出かけるからたくましくなります。また、帰るところがあるから安心できるのです。だから、「行って来ます」とは、幼稚園でいっぱい活動を楽しんで、そして必ずお父さんお母さんの元に帰って来ます、という君たちのこころが込められているのです。
み仏さまに見守られ、いつも元気に「行って来ます!」と挨拶できる子どもになってくださいね。

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