赤色赤光

リアル幼稚園。5月の再開を願って。

2020年4月10日

コロナ拡大の不安は3月の卒業式以降も一向に収まらず、とうとう新学期開催が困難となってしまいました。入園児や進級児をお迎えできない、まさに「緊急事態」となりました。せめて数日でも自由登園ができればと念じていたことも、政府や行政から強い要請があって休止となってしまい、私も職員もやりきれない思いです。
ここでも何度か書いてきましたが、幼稚園というところは集団生活の規律を学ぶべきところで、オンラインで個別指導すればいい、というものではありません。4月はまだ初々しい、それだけに生々しい子ども集団があって、そこに活動の楽しさ、関係のゆたかさが音源となって、園生活のリズムというものを生み出していく。何事も最初が肝心。入園児などは初めての園生活ゆえ多少の混乱もあるのですが、それも含め、4月は園生活の大切な入り口なのです。その失われたものをどう補えばいいのか、いろいろ思案を尽くしました。

昨日から始まったオンラインのパドマ幼稚園は、初めての試みですが、園生活が毎日体験できるよう、特別に動画を制作したものです。朝のダンス、朝礼に始まり、学年ごとの日課、手遊びや工作、絵本や行事、自然観察まで様々なコンテンツを用意して、幼稚園の一日を「バーチャル教育」できるよう工夫しました。子どもたちにとって、新たな学年、クラスの担任の先生と出会えるよろこびもひとしおでしょう。そのため4月8日は任意ではありましたが、顔合わせの場も設けました。
くりかえしますが、幼稚園はリアルな生活の現場です。表現者の息遣いや体温が届かないステージが本物でないように、YouTubeはあくまで手段に過ぎません。空、風、水や土の手触りがなければ、生命は育ちません。それまで動画で子どもたちの興味と関心、あるいは幼稚園への期待感を維持しながら、職員一同、心から5月からの再開を願うばかりです。

保護者のみなさまにはいろいろとご不安やご心配がおありのことと思います。不要不急の外出を控え、3つの密を避け、できるだけお家での暮らしにお努めください。また、幼児は発達途中にあるため、映像の中の出来事を現在の状況ととらえたり、より不安や恐怖を増強することがありますので、こうした情報接触はできるだけ控えるようにしてください。

ご家族そろってご健康で、ご無事で、再開できる日を心待ちにしております。南無阿弥陀仏。

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