赤色赤光

半年ぶりの保育参観。生きるよろこびを親子で分かち合う

2020年9月29日

9月中旬、4日間に渡って分散型で今年度初の保育参観を開催しました。ほぼ100%の出席率、保護者の皆さんの期待を感じました。この半年間、全く園の日常がうかがえない状態が続いたので、少し安心していただけたのではないでしょうか。

コロナ禍にあって、大人はとかく自粛や延期を口にしますが、子どもの辞書にそういた言葉はありません。またアフターコロナとかいって不透明な将来を憂える声もありますが、子どもがまだ見ぬ未来を不安がることはありません。私が、参観で最も留意していただきたかったことは、そんな大人の不安や心配をフィルターに子どもを観てはいけない、という点でした。
年長さんにもなれば、「もうすぐ小学生」的な近未来を予知することはできますが、大方の幼児の時間感覚は、非常に幅が狭く、これからのことを予測したり、展望することはできません。それよりも、子どもは「今」「ここ」を懸命に生きているのであって、まずは今日という一日の価値こそが生涯の生きがいに直結しているのです。
大人は、現在は未来のためにあると考えます。もっといえば、今を犠牲にしてでも将来のために献身すべきだと考えます。いずれそういう目標意識や計画力も大切になりますが、幼児期には、まず今を存分に生ききってほしいのです。園生活がたのしいこと、仲間とともによろこびを分かち合うこと、そういう「快」こそ幼児期に得られる最高の体験なのです。

参観の講演で、私は保護者の皆さんにこうお伝えしました。
「このところ不安や恐れにしおれていた感性のセンサーを、今日は子どもたちに向けてあげてください」
参観に来て、「子どもから元気をもらった」「私もがんばろうと思った」というお声をたくさん頂戴しました。
参観の目的は子どもの発達を見守ると同時に、親が子どもと、生きるよろこびを分かち合うことなのだと思います。

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