赤色赤光

PTA親睦会。子どもが引き合わせてくれたこの出会い。

2023年6月5日

6月に入って、1日、2日と連続して4年ぶりにPTA親睦会が開かれました。みなさんお仕事でお忙しいでしょうに、総勢150名のご参加があり、和気藹々とゆたかな時間を過ごすことができました。
幼稚園の役割に、子どもだけではなく保護者の学びや互いのつながりづくりがあります。普段であれば、同じ幼稚園の同じクラスどうし、いろんな交流や出会いがあるはずなのですが、コロナの3年間、それも途絶えてしまいました。「同じクラスのママの顔がわからなくて」。そんなお声も聞きました。
入園・進級以来、親子遠足(雨天中止)、クラス会、保育参観や教育懇談など、2ヶ月の間、いろいろな機会を経て、このたびの親睦会開催となりました。園長はいつもご招待いただくのですが、私から見ても感慨深いものがありました。PTAの役員さんのお気持ちはなおさらのことでしょう。開会にあたって、お祝いにスピーチでは、こんなお話をしました。

「年長児が全員そろっての本堂仏参も4年ぶりに開催できることになりました。ご本尊に向いて一斉に仏讃歌を歌うのですが、背中に力強い130名のこどもたちの歌声が迫ってきて胸が熱くなりました。仏参のあと、私から仏教のお話をするのですが、魔法の言葉<ありがとう>についてお話をしました。『ありがとうと言われて、怒ったり、悲しんだりする人はいません。みんながうれしい気持ちになります。いつでもありがとう。朝ごはん作ってくれたり、幼稚園まで送ってくれたのは誰ですか。当たり前になっていることにもありがとう、を言おう。お熱が出た時、一生懸命看病してくれたのは誰ですか。しんどくて言えないけど、心の中でありがとうと伝えよう。空気や水や、太陽も、自然の恵みを授けてくれてる。ありがたいことだね。
でも、何かをしてくれたから、ありがとうだけではありません。人は誰かのことに想いを馳せたり、想像することができる生き物です。今、お父さんお母さんはここにいないけど、きっとお仕事しながら、君たちが元気でいるかな、がんばっているかなと思ってくれている。彼方から、君たちを思ってくださっている。そんな見えない思いがたくさんあるんだよ。
目には見えない、たくさんのおかげによって生かされている。その感謝の気持ちを南無阿弥陀仏を唱えるのですね。

以上、園児にはそんな話だったのですが、これを大人の皆さんにふりあてるといかがでしょうか。私たちは反対に、子どもたちからたくさんのありがとうをいただいているのではないでしょうか。子どもは未来である。希望である。そのことにありがとう。
子どもは私たちに一人の親として、使命感と責任感を育ててくれる。そのことにありがとう。
もう一つ、子どもは、特に幼稚園がそうですが、すばらしい仲間や友を引き合わせてくれる。職場とも違う、ご近所とも違う、ここだけにしかない出会いを寄せてくれると思います。そう思えば、今日のこの親睦会も、実は子どもたちが引き寄せてくれた、大事なご縁ではないでしょうか。同じ幼稚園、同じクラスに恵まれたご縁に感謝して、まずは同じテーブル(クラス)どうし、ありがとうございます、の気持ちで交流をしましょう。(中略)

ありがとうとは感じで「有難う」と書きます。本来の意味は、滅多にない、あることが貴重である、ということです。そんな貴重なるものと出会ったことに感謝しながら、このひと時を楽しみましょう』

 

 

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