存在感は一朝一夕では生まれない。音楽リズム発表会
2015年2月9日

日曜日、音楽リズム発表会が終わりました。舞台も、進行、会場も、つつがなく進んで、年度末のフィナーレにふさわしい発表会となりました。
多くの幼稚園でも、発表会を3学期に開催するのは、これが1年間の集大成と位置づけているからでしょう。歌や合奏の発表はもちろんですが、客席からは子どもたちのよろこびとか自信、友情といったものが窺えたのではないでしょうか。
私は、園児たちの地に足の着いた「存在感」を感じました。存在感とはその独特の持ち味によって紛れもなくそこにいるということ。黙っていても、ただそこに立っているだけでその子のありようを感じさせるようなリアリティです。これは何かの能力とか、知識や技術というものとは違う。幼くはあるが、未熟でも早熟でもない。年長であれば3年間の幼稚園生活を通して積み上げてきたものが、自分の身体にしっかり埋め込まれ、
それが舞台に放たれる。今日の発表はそれを生きるよろこびとして、客席に向けて歌い上げたのではなかったでしょうか。
最近は、若い人の中にも存在感のない、ふわふわした身体をよく目にします。姿勢とか動き、声、表情などとらえどころがなく、輪郭がはっきりしない。ネットの中だけで通用する、仮想の身体です。
存在感はひとりでに生まれるものではありません。人と人のつながりや支えあい、あるいはもまれたり、ぶつかったりして、他者との関係の中で鍛えらながら育まれるものでしょう。そして、それは本人にとって自覚的であり、また誇りとするものでなくてはならない。存在感は一朝一夕では生まれないのです。
もちろん、それを育んだものは幼稚園だけではありません。お父さん、お母さんが、3年間、わが子に愛情と安心を存分に注いでくださった、その賜物でもあるのです。
ですから、今回の晴れ舞台のアプローズは、同時にご家族のみなさんへの感謝と共感の拍手でもあると思います。今日までありがとうございました。卒業・進級まであと1ヶ月と少し、残り少ない日々を親子ともども励んでまいりましょう。