赤色赤光

節電の夏、「小欲知足」の暮らし。

2011年7月1日

すでに連日の猛暑日ですが、逆に日本中が節電に燃えているかのようです。そもそも原因は、原発事故という「人災」ですが、すでに以前からCO2削減もあって私たちが取り組まなくてはならない課題でもありました。当園でも、すでに始まっていますが、7月からは啓発ポスターやシールも掲示して本格スタートします。

節電には、3つの目的があります。一つは、地球環境を守るために、二つは賢い消費者として、3つめは、被災地のみなさんの痛みをわかちあうため、です。

 

まず、地球環境を守るとは、本当は「地球に人類が守ってもらう」というのが正しい。地球という生命体にたまさか生かさせてもらっている私たちが、二酸化炭素の排出を少しでも抑制していくよう努めることは、地球人として当然のことだと思います。私たちには、次世代に地球環境を引き継いでいく責任があります。

また、 賢い消費者とは、消費を通して、社会をよくするということです。活発な消費活動が社会をよくするのはその通りですが、逆に過大な、過剰な消費が、結果的に大きな損失を生むこともあります。エネルギー消費はその最たるものでしょう。そのためには、消費者が知恵をつけなくてはなりません。

そして、被災地のみなさんの痛みを分かち合うため。いまなお、被災地では空調設備もない避難所で、苦労な生活を余儀なくされている方々が大勢います。電気のあるから、ないからではなく、少しでも日本人同士が思いを通い合わせるために、節電は在る意味、「心の修行」ではないかとも思います。

もちろん、無理な節電は、子どもたちにプラスになりません。各教室の空調は27度以上を原則としていますが、体温や体調を考慮して、適正に調節します。その他、節電指針を定め、職員室や廊下などの電気も、無駄なものはなるべく節電するようにしていますので、趣旨ご理解の上、ご協力お願いします。

「小欲知足」という仏教の言葉があります。「欲少なくして、満足を知る」という意味ですが、なかなか現代の社会では受け入れられないのが事実ではないでしょうか。人間の欲望が、ある意味、今の文明を発展させてきたことも事実だからです。しかし、生産や消費だけがもてはやされると、その挙げ句は自然も征服できるという奢りに陥ってしまう。今回の原発の事故の底辺には、そういう人間の奢りが横たわっています。

お釈迦さまは、欲望を否定せよと、とおっしゃっているのではありません。欲望は必ずそういう危険性を伴うということを知り、どう調節しながら生きていくのか、そのことを学ぼう、と指摘されているのです。

結局、科学や技術が世界を変えるのではない。変えていくのは、人間の心です。だから、教育の責任は大きいのです。

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