ひとりではできないことが…。プール活動、始まる！
2011年6月24日
夏のプール活動が始まって、十日目、今日初めてスタンドから年長組を参観しました。保健・安全委員会をはじめ多くのお母様のご奉仕に感謝申し上げます。
「親水」という言葉がありますが、なぜ人は水に親しむのか。かつて生まれる以前、母親の胎内の記憶に還るから、と聞いたことがあります。しかも人間の身体はおよそ７割が水分でできていて、それなくして生きていけない。水は、人間のいのちの大根源なのです。
体育あそびとして、プールは子どもたちにとても人気です。園庭で、体育館で、いろいろな体育あそびはありますが、プールは少し違う快感があります。おそらくそれは自分のいのちの肌にふれるような喜びなのでしょう。
年長のメニューは、まず体操、シャワー、バタ足、アクアビクス、顔つけ、宝探し、ビート板、流れるプール…という順番。ぶくぶく（バブリングといいます）もかなりの子どもたちができます。園としては、１学期終わりまでに、け伸び（水中に伏し浮いた状態で前へ進むこと）ができることをゆるやかな目標としていますが、まず個人個人の楽しさを優先してあげたいと思っています。
ラストは全員で「流れるプール」。プール内を全員で時計回りと反対にぐるぐる駆けて、水流をつくりだします。子どもたちはワーワー、大興奮。そのうち透明な流れが走った頃合いに、先生の指示を合図に、子どもたちは水に身を任せる。浮いた！流れている！その時の幸せそうな表情に、思わずこちらも笑みがこぼれます。
じつは、ここにパドマ幼稚園の教育の原理があります。一定の流れに身を任せれば、自分が力を出さなくても、勝手にからだは動いていく。自分ひとりでは、流れをつくりだすことはできないが、皆が共に協調、協同することで、自発的に水流が走り出す。あとは、個が全体の流れに参加していけばいいのです。
ひとりではできないことが、みんなとならできる。みんなとできることは、やがてひとりでもできるようになる。総合幼児教育のたいせつな教えが、プールの水中に溶け込んでいるのです。
