赤色赤光

夏休み。一日一日をていねいに生きる。

2011年7月18日

7月14日、1学期が無事に終了しました。

毎朝、幼稚園の玄関に立っていると、子どもたちの日々の変化がよくわかります。入園、進級した頃は、玄関で大泣きしていたあの子も、いまは胸を張って自分から教室へと向かいます。自分の意志で、幼稚園生活に参加しようと自らの足で踏み入れていく姿からは、力強い成長を感じます。入園・進級以来、わずか3ヶ月、されど3ヶ月です。

 

去る8日にはサマーコンサートが開催されました。平日開催にもかかわらず、大勢のご家族の参観があり、大きな舞台で新しいクラスとして初めての発表となりました。もちろん、歌も合奏もすばらしかった。けれど、いちばん大事なことは、この小さき集団が、1学期の間にしっかりと関係の糸を紡ぎ、クラス集団として大きな意志を体現してくれていることです。ひとりはか弱い存在でも、仲間と協同することで、大きく育つ。1学期は、その仲間集団の基礎体力を養う時期であったのです。

さて、待望の夏休みとなりました。幼稚園生活とは異なる、家庭生活、親子生活を大いに満喫していただきたいものです。山へ川へ、家族揃って外出する機会も増えることでしょう。それは大いに結構なことですが、たとえ場所が移っても、環境が変わっても、これまでの生活習慣はしっかりと継続していただきたい、と思います。早寝早起き、食前食後のことば、歯磨き。よく動き、よく話し、よく眠る。幼稚園のCDやホームワークも、毎日少しずつ続けていってください。夏休みは、生活リズムが変わりやすいし、「ま、いいか」とご両親も甘くなりがちです。よく子どもさんと話し合い、励まし表やカレンダーも活用しながら、コツコツと積み上げて、毎日を持続できるよう励んでまいりましょう。

もうひとつ、私からお願いがあるのは、ご先祖さまのお墓参りや仏壇参りを、家族そろって勤めていただきたい。お盆とは、年に一度、先祖さまがわが家にお還りになる伝統行事です。ご先祖さまに手を合わせるとは、いのちをたいせつにしますと仏さまに約束することです。そんな尊い姿を、まず親が範を示して、背中でわが子に伝えてあげてください。仏教園のパドマだからこそ、とくにお願いしたいことでもあります。

私たち大人の生活リズムと、子どものリズムはけっして同じではありません。 しばしば大人の過剰な期待が、子どもの成長を乱すように、大人本位な生活で、子どもの本来を見失ってはいけません。反対に、たいせつなわが子がどんな速度で生きているのか、そばにいて、じっくり気づいていくことこそ夏休みの本当の魅力なのかもしれません。親の気持ちや行動が先へ先へと走っていないか。子どもを置き去りにして、自分だけカリカリしていないか。むしろ、子どもの小さな歩みから、私たちが学ぶものが大きいのではないでしょうか。
「一日一日をていねいに、よく考えて生きなさい。そこから悟りが生まれます」とは、お釈迦さまのことばです。

どうぞよき夏休みをお過ごしください。

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