赤色赤光

涅槃会の日に。自らを拠り所として生きよ。

2019年2月15日

今日は2月15日、お釈迦様の入滅の日、涅槃会です。お釈迦様の亡くなった日ですから、悲しい出来事なのですが、仏教では、死別の悲しみに暮れるよりも、そこで導かれた教えこそ尊いと、この日を大切にしています。

今朝の朝礼で、年長の山本先生が、こんな話をしました。
「お釈迦様がお弟子さまに最後に残された言葉は『自灯明 法灯明』という言葉です。自灯明とは「自分自身を信じて、自分を頼りにして、生きていけ」という意味です。誰かにお任せしっぱなしで生きるのではなく、しっかりで自分に足で立ちましょうということです。
法灯明とは、『本当に正しいことを信じなさい』という意味です。世の中にはいろいろな言葉や情報が飛び交っています。中には正しくないこともあります。それをしっかり見極められるよう、自分を磨いていきましょう」

幼児に話の内容がわかるかどうかは重要なことではありません。朝の冷気の中で語られる言葉への思いや願いが、子どもたちに響いていきます。とりわけ卒業を控えた年長児であれば(またそれを山本先生が語ればこそ)胸に染みるものがあったのではないでしょうか。
格別に重要なことは、教え(法)の前に、自身を拠り所とせよ、というメッセージです(自灯明)。教えがどれだけ尊いものでも、それにはまり込んで、盲信して、自ら考えなくなってしまうこともお釈迦様は戒めておられます。そういう自分がなければ、教えは御者を失った馬車に過ぎません。
膨大な情報の渦の中、言葉の本質は遠ざかります。テレビやネットのことばに言霊は篭りません。山本先生の言う通り、「見極める力」こそ大切なのです。

ページトップへ