赤色赤光

■「有り難い」いのちのよろこび。音楽リズム発表会。

2019年2月12日

インフルエンザが猛威を振るう中、去る2月3日に音楽リズム発表会が開かれました。当日欠席を余儀なくされた子ども、学級閉鎖が相次ぎ、練習も満足にできたとも言い難い、そういうハンディの中での開催でした。
振り返れば、去年から数々の災厄が大阪を襲いました。地震、集中豪雨、熱中症、台風と、災害国であればおなじみかもしれませんが、それでもその度も畏れや慄きを感じました。園長の立場から申し上げれば、幼稚園は教育の前に、「いのちの尊さ」「いのちの安心」こそ第一の使命であると、強く認識をした次第です。
「安心」「安全」を優先するということは、決して消極的になるとか、前進を止めることではありません。かけがえのないいのちを想うからこそ、いまを大切にしなくてはならない、と思います。
つまり、普段当たり前と思っていることに感謝して、日常の中の新たな気づきや発見を大切にすること。今日あるおかげを知ることです。前のめりではなく、ていねいに足元を見つめながら、一歩一歩進んでいく、そういう謙虚さ、確かさを思うのです。
発表会は特訓してできあがるものではありません。むろん3学期から練習は始まりましたが、それも1学期から積み上げてきた毎日の生活や習慣があってこそ。歌唱力や演奏力をよろこぶ前に、まずクラス集団で取り組む意欲や心情、態度に拍手を送ってあげて欲しいのです。
「ありがとう」とは漢字で「有り難う」と書きます。仏教では、人間に生まれることは、「有ることが難しく」、そのおかげを喜ぶべきと教えます。友だち、先生、そしてお父さん、お母さんへ、子どもたちはいのちの尊さを歌い上げたのです。

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