赤色赤光

保育をひらく 親子七夕交流と年長ポスター発表

2022年7月14日

 7月の2週目、当園初の七夕親子交流会を学年別に4日間に渡って催しました。当園初というのは、例年は歌唱の発表会だったりしていたものを、「交流会」という行事に変更したからです。交流というと、仲良くする親睦するという意味ですが、教育的には人格的な交流であり、親子、あるいは保護者どうしが自己を開示して、関わりあうことをいいます。七夕という一年に一度の出会いにちなんで、本格的な親子交流を目指したのでした。詳細は省きますが、とりわけ年長のプログラムは多様な交流が重なり、分厚い体験となりました。ちょっと流れを説明しましょう。

まず最初に保護者対象に、学年主任から子どもたちの発達のねらいについてスライドを用いた話があり、続いて園長からさらに大きなフレームで語り、その後クラスごと会場を分けて、「交流会」となりました。親子一緒に笹飾りを作ったり、短冊に願いを書いたり、次に子どもが願い事の発表をしたり、お母さんがわが子の様子を語ったり、それらが混然となって進んでいくのですが、年長はさらに共同制作のポスター掲示を見て回るという目玉もありました。保護者と幼稚園、子どもと保護者、そして保護者どうし、と交流の層が重奏したのです。

大人どうしの交流には一定の距離が生じます。遠慮もあるし、抑制も働く。自己開示は容易にはできないものです。しかし、子どもが膝の上にいると、コミュニケーションは変わります。まして、幼稚園です。同じ学年、同じクラスに恵まれたご縁に感謝しながら、わが子の育ちや願いを心から語りあう場面がたくさん見られました。それは、この行事のポイントである「つながりの中の成長の気づき」と「仲間への敬意と共感」の現れでもありました。
ポスターも詳しい経緯は省略しますが、1学期の保育の姿としてふさわしいものでした。インスタグラムにもありますが、「子ども会議」では、「対話」「観察」「調査」があり、「共同制作」から「発表」へと至るプロセスは、幼児期の終わりに近い5歳児の資質をいかんなく発揮したのではないでしょうか。園舎のあちらこちらに掲示されたポスターに、お母さんから応援メッセージがたくさん届きました。その一つをご紹介しましょう。
「今日はこども会議をしたよ。と幼稚園から帰ってきた息子がよく話をしてくれていました。多数決で決めると。多数決という言葉も知らなかったはずの息子が、意味を理解している事にびっくりしました。恐竜の化石って、どんなのかな?と家に帰ってきても、図鑑を広げて見たりして、お友だちと一緒に協力して作ることに、張り切っていました。

まだまだ自分が想像した物を形にすることは、難しいようですが、お友だちと協力して作る作業がとても楽しかったようです。貼った場所を毎日のように説明してくれ、早く見に来てね。と何回も言われました。ストローで動かせるように工夫したなど、がんばりポイントを説明してくれました。みんなで作ることの楽しさを知ることができたのかなと思います。また、朝礼でも発表させていただいたようで、そこでは、みんなに知ってもらうことの喜びを感じることができ、誇らしげな様子で帰ってきました。」

小さな経験の積み重ねが、子どもの主体性や自律性の土台となります。幼稚園の学びとは、そのような人格の基礎を築く大事なものなのです。

   

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