赤色赤光

人間は、たいせつな誰かから「ありがとう」と言われるために、生きている。蓮塾修了式。

2010年3月27日

 幼稚園の小学部・蓮塾の修了式がありました。幼稚園生活3年間プラス小学校2年間の5年間の過程が修了しました。修了生は小学2年生42名。塾長として、私は概略、次のような話をしました。

「修了」と「終了」とはどう違うのか。終了は、時間が経過すれば終わるもの、修了は、自分の意思で努力して迎えるものです。完了、修学、お坊さんの修行… 「修」とは修める、自分の身につく、ということです。
みなさんは幼稚園から5年間、雨の日も風の日も、毎日毎回、お休みせずに幼稚園に通ってくださいました。つらい時、悲しい時もあったかもしれないけど、それでも毎日通う、通い続けて、それが定着する。それが「修」の意味です。
朝起きたら、おはよう、顔を洗う、ご飯を食べる。それは当たり前ことですが、みなさんは、それと同じように、誰から言われなくても、当たり前のこととして、幼稚園や小学校に通えるようになりました。長い間、積み重ねてきた努力が、いますばらしい習慣になって、みなさんの身につきました。だから、今日は修了式というのです。おめでとう。

(講堂舞台の)正面の大きな輪は「法輪」といいます。これは仏教の象徴、お釈迦様の「教え」そのものを表しています。
よく見ると、輪の中心から八つの矢印が出ていますね。この八つの柱はお釈迦様の教え「八正道」を表しています。それは、お釈迦様が一番最初のお説教で説かれた、人間として「正しい生き方の教え」です。
その八つの道とは、順番に「正しく見る」「正しく思う」「正しく話す」「正しく働く」「正しく生活する」「正しく人と調和する」「正しい目的意識を持つ」「正しい反省と瞑想をする」です。但し、この教えは、大切なことを「修了」した人に授けられるものです。毎日毎日、自分で修めた人にだけ伝えることができます。みなさんは、幼稚園、蓮塾5年間でこの八正道の大事な心の扉を開いてくれました。

 人間は何のために生きているのでしょうか。

 それはたいせつな誰かの役に立つためです。誰かから「ありがとう」といわれるために生きています。その誰かと会うために、あなたがこの人のために、と思える誰かを探す旅が人生というものです。
そのためにお釈迦さまは、みなさんにたいせつな八つの教えを授けてくださいました。
蓮塾の制服の胸に八正道の絵が書かれているように、どうか修了生のみなさん、この教えを胸に刻んで、ともに立派な人間を目指していきましょう。

修了式、おめでとう。

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