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幼少期の自然体験は、将来の人間の魅力につながる。

2010年10月18日

 幼少期に自然の中で遊んだ体験の多い子どもは、読書率が高く、テレビゲームで遊ぶ率は低い、という調査データがでました。国立青少年教育振興機構が幼児期の体験と、その後の成長についての関連について、全国の小学5年生から高校2年生までの1万1000人を対象に行ったもの。私たち現場では、よく実感できることなのですが、改めてデータで示されると納得感があります。

 このうち小学5年生で、幼児期の自然の体験活動が多かった子どもと少なかった子どもとの読書量の比較を見てみますと、「1か月に10冊以上の本を読む」と答えたのは、体験活動が多かった子どもでは26.7%、少なかった子どものでは9%にとどまります。幼い頃、自然の中で遊ぶなど、さまざまな体験をした子どもほど本を多く読む傾向があることがわかりました。また、高校2年生にゲームとの関連を聞いたところ、自然体験が少なかった生徒の55.5%が「ゲームを毎日・ときどきしている」と答えたのに対し、多かった生徒は42.3%と半数未満にとどまりました。

 さらに、言葉づかいやはしに使い方など「文化的な作法や規範意識」を調べたところ、意識が高いのは、幼少期の体験の多いグループが54%、少ないグループが17.5%と3倍もの開きが出ました。思いやりの心、コミュニケーション能力なども、体験の多寡で違いが出ています。幼少期の体験が、その後の人生にどのような影響を及ぼすか、大きな証明となりました。むろん、幼稚園だけで自然体験ができるわけではありません。「虫取り」「キャンプ」「海や川で泳ぐ」など、自然と交わる体験はやはり家族そろってが一番。お稽古ごとや塾など、現代の子どもたちは忙しくなりましたが、将来、後伸びしていく力を、どうかこの時期にたっぷり馴染ませてあげたいものです。

 ちなみに、体験の多寡は「結婚」「出産」にも反映されているとか。専門家は「子どもの頃の体験で人間として幅が広がり、異性にも好かれる魅力的な人物に成長できるのでは」とコメントしています。
 

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