赤色赤光

就任式。4つの誓い。

2009年4月1日

今日4月1日、平成21年度が始まりました。パドマ幼稚園では恒例の就任式を、應典院本堂で実施、全職員と来賓の方々が列席の中、5名の新任職員、3名の幹部職員が新しいスタートを切りました。

当園は伝統ある仏教の幼稚園ですので、就任式も仏式で執り行います。ご本尊の御前で、仏教讃歌やお経が響く厳かな雰囲気の中、私からそれぞれに辞令を手渡しました。

式の中で園長として、新任の先生方にお話しをさせていただきました。仏教の四摂法(ししょうぼう)についてです。

「教育者は行方の遠い<願い>を生きる人です。時間や労力をかけたから、必ず願いは叶うものではない。だから、しばしば<願い>の根拠が揺らいだり、<願い>そのものを疑ったり、不安や心配に苛まれることがあります。だからこそ、教育者の<願い>には、揺るがないために根の太い土台、基盤が必要であり、それにはお釈迦さまは4つの生活の修行をお勧めになっています」

そこで「四摂法」の四つ、一、布施 二、愛語 三、利他 四、同事を紹介して、それを幼稚園の先生方にわかりやすく、このように咀嚼して伝えました。

「布施とは、子どもに見返りを求めない心です。安易な期待をしたり、結果を求めない。愛語とは、ひとつの言葉の可能性と恐ろしさをきちんと自覚する。利他とは、先生だからといって教育を押し付けない。子どもを信頼して任せる。教える構えを捨てることです。そして、同事は、共鳴・共感・共体験、子どもとともに生きることです。けっして孤立させてはならい。その4つの誓いを教育者は日々実践すること他にありません」

修行といっても格別にむずかしいものではありません。日々の精進によって<願い>の持続力、耐性は確実に高まり、「諦めない」基礎体力がつきます。

私たちの<願い>とは、そういう一日一日の行いの積み重ねの行方に、じっくりと実っていくものなのです。
 

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