赤色赤光

不易と流行。軽率に変化を求めない。

2009年3月31日

パドマ幼稚園の園長として、最初の1週間を終えました。正式な就任は4月1日ですが、新学期準備が始まっており、職員を前に少し早めの就任挨拶をしました。前任園長は学園長として、大所高所からご指導を仰ぎたいと思っています。心強い限りです。

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  私たちの時代、「変化」とは成長であり、発展であると信じられてきました。学校や幼稚園も日々変化を繰り返し向上していくわけですが、逆に何を変えて、何 を変えてはならないのか、についてもっと熟慮すべきだと思います。「何でも変化」病に侵され、私たちは「不変であること」に自信を失っている感さえあります。。

昔から、「不易と流行」ということばがあります。「不易」とはずっと変わらないこと、「流行」とはその時々に合わせ変えていくことであ り、「不変の真理を知らなければ基礎が確立せず、変化を知らなければ新たな進展がない」が、じつは「両者の根本は一つである」というものです。何事も「変化」が優先されるいまの時代、教育こそじっくり「不易なるもの」と向き合う場でなくてはならないとも思います。

でも、現実はどこの学校も子どもの対応に忙殺され、教育委員会や保護者の声にもふりまわされがちです。落ち着いてじっくり「不易なるもの」と向き合う時間もないのが実情でしょう。私だって現場が始まれば、そんな悠長なことは言ってられないかもしれない。

そこで、改めて宗教教育、仏教教育の利点を見直したいと思います。仏教が長い時間をかけて練り上げてきた思考や感覚のフレームは、「不易なるもの」に対す るひとつの尺度といえます。見えやすい即効だけを求めるのなら、教育は受験塾で充分です。だから軽率に変化を求めない。愚直さを厭わず、その不断の営みの 行方に本当の成長があることを信じる。その確信の根を、当園の場合、仏教が支えてくれているのです。ありがたいことです。

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