赤色赤光

●1日遅れの花まつり。世界初の人権宣言。

2019年4月10日

今日4月9日は全園児(最年少除く)、新年度の登園初日でした。そして一日遅れの花まつり。「花祭り」とは、仏祖お釈迦様がお生まれになった日、全クラスが花御堂前でお参りをして、幼稚園が一気に深呼吸を始めた感じです。

花まつりは、お釈迦さまの誕生を祝って、花御堂の誕生仏に甘茶をかけてお参りする、という伝統の仏教行事です。「誕生仏」とはお釈迦さま誕生のお姿で、右手で天を指し、左手で地を指しています。お釈迦さまは生まれてすぐ7歩歩かれて、このお姿をして、「天上天下唯我独尊」と宣言されたという由来に基づいています。

この「唯我独尊」、どうも仏教語は世俗語に転じると意味が反転するようで、辞書には「自己中心的」とか「傍若無人」と紹介されていますが、もちろんお釈迦さまが「俺が世界でいちばんえらいのだ」と言ったわけではありません。本当の意味は、「天にも地にも、この世界において、ただ一人しかいない私という存在は何よりも尊い」という意味です。お釈迦さまは、自分という存在の尊厳を唱えたのであって、人類初の人権宣言のようなものです。
人間は一人では生きていけない。だから、皆が助けあって生きていくためにも、まず自分自身の尊厳をたいせつにしなくてはなりません。子どもの自尊感情とか自己肯定感とは、最近の教育界で扱われるたいせつなテーマですが、お釈迦さまの「唯我独尊」は、一人ひとりかけがえのない存在の尊さを、今日の私たちに伝えてくださっているのです。

担任の先生たちは、心を込めて子どもたちに語りかけます。「あなたは、あなたのままでいい」。そう、教育の出発点とは、まず子どもの存在の絶対的な承認から始まると、いつもこの言葉にふれて、感じています。 この一年、どうぞよろしくお願い申し上げます。 (RE )

 

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