赤色赤光

わかりあうための第一歩。親子遠足。

2019年4月25日

心配された雨も上がって、今日は恒例の親子遠足でした。スッキリした青空とはいきませんでしたが、かえって涼風も通り、新緑が眩しい好日となりました。

入園2週間、進級してまだ2週間にすぎません。例年は6月に実施していた親子遠足を、今年度は年度はじめに持ってきたのは訳があります。

 

2、3週間というのは、子どもも親御さんも幼稚園に少し慣れ始めた頃。園生活を楽しむにはもう少し時間がかかるかもしれませんが、それでも自分のクラス、自分の仲間や先生について、だんだん思いを新たにしてきたことでしょう。そのためには、まず子どもの居場所が安心できるところでなくてはなりません。

安心には、もちろん危険防止や緊急対応も重要なのですが、それとは違う意味で、まず子ども同士の、あるいは先生とのかかわりやつながりが安らかで、心落ち着くものでなくてはなりません。「ここにいていいんだ」と思えるような安心の居場所。それにはまず日々積み重ねられる仲間との協同(園活動)が不可欠なことなのです。

お父さん、お母さんも同じでしょう。クラス分けがあったから、すぐにわかりあえるわけではありません。初めての幼稚園であればなおさら、新しいクラスのお母さんどうし出会い、つながり、いろいろな経験を共有しながら、だんだんと「◎◎組のお母さん」となっていきます。今日の親子遠足は、そのはじまりの第1ページなのです。

 

社会はどんどん多様化し、複雑化していきます。日本人どうしだから、男どうしだから、黙っていてもわかりあえるわけではありません。いや、ひとり一人がスマホを駆使するように、これだけ個別化が進んだ社会だから、まず私たちは互いを「わかりあえない」という地点から出発して、「わかりあえる」旅を始めなくてはならないのではないでしょうか。まず、互いを見つめること、歩み寄ること、手をつなぐこと、そして言葉を交わし合うこと。そういうコミュニケーションにこそ、仲間意識や連帯感の萌芽が生まれるのだと思います。そんなもっとも原初的なつながりの姿を、私たちは幼稚園で学んできたのだと思います。

 

親子遠足は、わかりあうための第一歩です。これから保育参観、クラス会、親睦会などお母さんどうしが集う機会も増えていきます。同じパドマの、同じクラスの仲間たち。どうぞこの1年間よろしくお願いします。

 

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