赤色赤光

親子で絵本づくり。探究心を育てる。

2021年9月21日

2学期早々、少し心配した時期もありましたが、感染の減少とともに秋の気配も深まってきました。園庭で元気に駆け回る子どもたちの姿を見ると、健康と発達の両方を願わないではいられません。
夏休みの課題として「親子の絵本づくり」がありました。動画配信ではその一部を紹介しましたが、物語あり記録あり観察ありでいずれも傑作揃いで感心しました。絵本づくりとは創作活動である前に、親子のコミュニケーションツールであり、共同制作を通して子供の感性や成長に触れたという親御さんも多かったことでしょう。

ある絵本には、「両親後記」として、こんな親御さんからコメントが載っていました。
「はじめ『こりゃ大変だぞ』と思っていましたが、作っていくうちに色の塗り方が丁寧になったり、字がきれいに書けるようになったりと息子の成長を感じました。息子も完成時の達成感を味わうことができ、親子の夏のいい思い出となりました」(すぎ組・Hくんのご両親)
また、特に注目したのが、親子一緒に作った実験記録の絵本でした。 まつ組のMくんの「321はっしゃ」は、ペットボトルをロケットに見立て、実際に飛ばしてみて、その空気や水の量などと飛距離との相関関係を分析したものでした。理科の実験のようですが、その原初にあるのは子どもの「どうして」であり、「やってみよう」の心です。
今、教育界では「探究型学習」の必要が言われます。一言でいうと「自ら学び自ら考える力の育成」をねらった学び方のことですが、そこでの子どもは「教えられる存在」から「自ら学ぶ存在」への転換があります。自分から問題を発見したり解決したりするには、思考力や判断力、表現力が必要となりますが、この親子でつくったロケットはまさに「探究型学習」を地でいくような内容ではないでしょうか。
もちろん子ども自身の興味や関心もあったことでしょう。それ以上に、それを実際の道具に見立て、動機付けをして、サポートしながら、「わが子の成功体験」を引き出されたことはすばらしい親子教育であると感心しました。
「ペットボトルロケットは、いきおいよく水をふきだしてぼくとおとうさんをどろんこにしてとんでいった。めちゃくちゃたのしかった」
もちろん、空想の物語も旅の記録も「探究型」であることに違いありません。絵本というツールを媒介して、親子が質の高いコミュニケーションを交わされた格別の夏休みであったかと思います。いずれも傑作揃い、さすがパドマのお父さん、お母さんです。

 

 

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