赤色赤光

■ローテーション、再開。返るべき拠り所。

2021年9月28日

9月お彼岸前からさわやかな秋晴れが続きます。時候とともに浮き立つのは、新学期以来休止にしてきた運動ローテーション(運動日課)が、先週から分散ながら再開となったこと。保育室でも短縮しながら、ことば日課も始まりました。
その初日、登園した子どもたちが耳馴染みのある音楽を聴くなり、「あ、ローテションや!」と笑顔が弾けました。長い間、辛抱させてきたのです。

ローテーションも日課も、当園にとっては「黄金律」ともいうべきものです。朝いちばん決まった型に馴染みながら、そこから共振的、また協同的な経験を身体に刻み込んでいく。集団の質を高め、それによってその後の自分主体のあそびへとスムーズに展開されていきます。
いえ、申し上げたいのはそれよりも、子どもたちの「復元力」のすばらしさでした。担任の先生が異口同音に言うのです。「夏休みから含めればも2ヶ月近く休止していたのに、日課が始まると皆勢いが増す、背筋が伸びる。すごいです」
長く習慣として身についてきたものは、たとえ休止期間があったとしても、元の軌道へと難なく再帰していく。別の言い方をすれば、戻るべき場所や踏まえるべき姿があるということの安心感は、こんな時だからまた格別のものではないかと思います。子どもも、また先生たちも然りです。
コロナとなって、「元の生活に戻らない」と繰り返し言われます。確かに幼稚園も「withコロナの幼稚園」として新たなスタイルを模索しなくてはなりません。しかし、それは子どもたちの身についた習慣や経験を損なうこととは違います。「黄金律」とはどんな逆境にあっても、存在を支え、生きることを励ますものでなくてはらないと思うのです。
返るべき拠り所があるということ。そこに立って、誰もがよろこびを感じあえるということ。列車は、元のレールに戻って再び走り出すように、ほのかな明かりに向かって、幼稚園がゆっくりと始動しています。ありがたいことです。

追記:もちろん今後も感染対策に抜かりはあってはなりません。緊急事態宣言解除後には、ガイドラインを緩和しますが、引き続き三密確保、マスク、手洗い、換気などは徹底してまいります。

 

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