赤色赤光

大谷翔平と運動会。一生懸命を忘れない。

2021年10月29日

どうやら明日は天気も良さそうで、分散ではありますが、すばらしい運動会となりそうです。
今朝、園舎を巡回していると年中のあるクラスの黒板に、担任の先生がこんなメッセージを書いていました。
① 全力を出しきる
② あきらめない
③ おうえんする
おそらく先生から運動会の心得として語ってきたものなのでしょう。

それがどのような振る舞いであり、どんなよろこびが生まれるのか、子どもたちは明日の本番を通して全身で経験してくれることでしょう。

話は変わりますが、先日、今年最も活躍した大リーガー大谷翔平のドキュメンタリー番組がありました(10月24日NHKスペシャル「メジャーリーガー 大谷翔平」)。その中で、記録尽くしの天才プレイヤーがどんな子ども時代であったのか、野球指導者でもあった父親の徹さんがインタビューに答えていました。
父親曰く、中学校野球ではコントロールもわるく、ホームランも打ったこともない、無名の選手だったそうです。小学生の時には、父子で交換ノートをかわしながら、基本をなんども繰り返し伝えたそうです。
「一生懸命元気に声を出す」
「一生懸命キャッチボールをする」
「一生懸命走る」
「3つのポイントをしっかりやれ。本当にしっかり一生懸命にやれば必ずよいことがある」
それに対し、小学生の息子が自分を振り返り「わるかったこと。全力で走れていなかった」「よかったこと。声がいつもより出せていた」とノートに記していました。プレーの内容より、野球に対する姿勢こそ大事、とお父さんは息子に伝え続けたのです。一流のメジャーリーガーの原点を垣間見た思いがしました。

運動会の目的は、競争の勝ち負けではありません。
ゴール目指して全速力で走り抜くこと、仲間とともに心を合わせて演技をすること、そのどれもが目標に向かって全力で励む意欲や態度を育みます。ここには、やり遂げること、協力すること、表現すること、また仲間を応援する=共感することなど、子どもの「内なる力」を促す数々の経験の連鎖があります。
むろんそれは一朝一夕でできるものではありません。毎日の園生活という基本を積み重ね、仲間とともに活動をともにする中から生み出されていく、人間として生きるよろこびそのものではないかと思います。先の先生のメッセージは、そんな気持ちを引き出そうとしたのではないでしょうか。

コロナも少し落ち着き、2学期も折り返しです。これからが子どもたちの1年の成長期です。大谷選手のようにいつも一生懸命を忘れない、そんな子どもたちと励んでいきたいと念じています。

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