赤色赤光

お店屋さんごっこ。モノを介したコミュニケーション。

2021年12月20日

今日は歳末恒例の「お店屋さんごっこ」でした。各クラス、数々の「商品」が並び、威勢のいい呼び込みの渦が園舎に響きました。(その模様は、はすの実ダイアリーの写真をご覧ください)。3歳が5歳の部屋に買い物に行く。5歳が2歳の買い物に行く。袋いっぱいに、異年齢の縦割りの交流が起きていました。ちょっとした祝祭気分です。

ところで、今の世代の人たちは、「○○屋さん」という呼び名はあるのでしょうか。「お魚屋さん」「うどん屋さん」「散髪屋さん」という風に、私のような昭和世代には普通の呼称であったのが、商店街がシャッター通りになり、代わりにお店が大きなスーパーに取り込まれていくのと並行して消えていったように思います。ネット販売が一般的になった現代では、お店屋さんの経験も、実は多数派とは言えないのです。

子どもの買い物体験を、「金融教育」「消費者教育」として論じる方もありますが、そんなことよりも、私は、「交換」というコミュニケーションが幼児にとって大事な経験であると考えています。

当日は、紙製のコインで売り買いがあるのですが、そこには家庭における「贈与」とは異なる、子どもなりの価値の発見と社会のルールの共有があります。「何が欲しいのか」「いくらで買えるのか」または「どうしたら買ってもらえるか」「売り切れたらどうるすのか」など、子どもが自問したことのないような場面が続出します。ネット注文、電子決済がデフォルトになった現代には、たいせつな経験ではないでしょうか。
モノを介したコミュニケーションには、「ごっこ」とはいえ、立派な学びが生まれると感じます。

このたびのお店屋さんの商品は、すべて子どもたちの発案によるものです。圧倒的に食べ物が多いのですが、ラーメンの具材やオムライスのケチャップなどにも子どもたちの手作りが加わっています。おいしそう。今日持ち帰ったら、ご家族でぜひ「食味」してみてくださいね。

ページトップへ