赤色赤光

見えないもの見るために。2学期始まる。

2013年9月10日

2学期が始まりました。今朝、年長のクラスを覗くと、柱には今月の目標が貼り出されていました。「友だちの輪」。その下にはその願いをどう実現していくのか、具体的な道筋が提示されていました。 「名前を呼んで挨拶する」「言葉にありがとうをつける」「誰のお手伝いをしましたか」…そういう問いが、社会で生きていく上での作法を子どもたちにしつけていくのです。

礼儀とかマナーとかを言いたいのではありません。信頼や感謝、貢献など、人と人の間に生まれる最も尊い営みを、どう幼い子どもたちに「教えて」いくのか。担任は、見えないものを、行為と言葉という見える姿にして「教えよう」としているのです。

保障やサービスが行き届き過ぎて、私たちは人間社会のなかに生れ出る関係性の輝きにいささか鈍感になっていないでしょうか。今日、あなたは何人名前を呼びましたか、何度ありがとうと言ったでしょうか。「教える」のは、知識や情報ではありません。目には見えない関係の痕跡なのです。

当たり前ではあるが当たり前以上のもの。それを認識するために、私たちは言葉を駆使する。見えないものを見るために、言葉によって関係の彫像を築き上げるのです。

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