赤色赤光

明日から冬休み。年末年始を「堪能」しよう

2013年12月20日

  今日で幼稚園は終業日、お母さんとともに園児たちが帰っていけば、次に再会するのは新年、第3学期となります。夏休みに比べて休みの時間は短いが、冬休みはクリスマス、大晦日、お正月と楽しい年中行事が目白押しです。この時だけは、家族揃って過ごされるという方が大半だと思います。中には海外でハッピーニューイヤー、という家族もあるでしょう。国立小の受験が控えているので、今年は正月はお預け、とおっしゃる親子もあるかもしれません。もちろん例外な年もあっていいのですが、それがどこであれ、どんな状況であれ、私はやはり新年は家族そろってお祝いしていただきたい。わかりやすく言えば、年越し蕎麦、除夜の鐘、初詣、お雑煮やカルタ遊びなど、年末年始を「堪能」してほしいのです。

 東日本大震災の被災地が復興していく過程で、祭礼や儀礼といった伝統文化が注目されました。津波に流された祭具を複製して、街を挙げて祭を復活させたという話しも聞きました。古くさく、すたれかけたものであったが、地域の人が結束を取り戻す拠り所となったものは、やはり昔ながらの伝統行事だったのです。

 地域であれ、家族であれ、伝統行事は、人間の身体に一本の軸足をつくります。それがなくては、次へと進めないような生きる上での「型」のようなもの。質や量を競う知識や情報とは違います。四季折々によって暮らしが彩られるように、伝統行事によって私たちの人生もかたどられていくのです。

 子どもは伝統行事を選べません。しかしテーマパークや百貨店のような流行の空間ではなく、先祖からずっと受け継いできた場とはたらきを通して、子どもは自分の心身に伝統の「型」を埋め込んでいきます。意味や理由は問わない。しつけ、もまたそういうものとして「しつけられて」きたのだと思います。

 世界はグローバル化が進みます。日本のことは日本人だけでという状況ではなくなりつつあります。だからこそ日本人としての自覚と誇りをたいせつにしましょう。その第一歩が、年末年始を親子一緒に「堪能」することなのだと思います。

 それから、ご先祖さまへのお墓参りもぜひ。墓で手を合わせる父母の姿を、幼児は生涯忘れないものです。

 

 

 

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