赤色赤光

生きることは表現。音楽リズム発表会終わる

2016年2月15日

  一昨日幼稚園の音楽リズム発表会が閉幕しました。約400名の園児の歌や合奏はすばらしく、またそれを育む見守るお父さん母さんのよろこびも美しいものでした。

 発表会の冒頭、私は客席を埋めた保護者のみなさんにこんな話をしました。
「発表会の目的はいうまでもなく、表現力の発露です。表現力には3つの要件があります。これを表現したい、しないではいられない〈思い〉であり、それを具体化ならしめる〈わざ〉であり、そしてそれをやってよかったと充足される〈よろこび〉です。幼稚園的に言い換えれば、〈思い〉はつまり子どもの意欲、心情、態度といった内面の育ちであり、〈わざ〉とは園生活で積み重ねてきた活動や習慣の定着といえましょう。そして〈よろこび〉とは同じ舞台で成し遂げた仲間への信頼感であり、それは客席の家族の笑顔や拍手によってさらに充たされていくのです」

12月の遊戯会が終わってから練習が始まり、わずか2ヶ月と少し(保育日数でいえばこの半分ほどです)でこの完成度は、ただただ毎日の園生活が土台にあってのことでしょう。3年間、積み重ねてきたことの自信と誇りは幼子といえ、しっかりとたましいの根っこを育んできたのです。発表会が園生活の集大成といわれる所以はそこにあります。

 いや、そもそもわれわれが生きること、暮らすこと、仕事をすること、すべて、〈思い〉〈わざ〉〈よろこび〉の三重奏で成り立っているのではないでしょうか。〈思い〉とは生きることへの希求であり、〈わざ〉とは生きる技法とか型といってもいい。〈よろこび〉とは他者との共感であり、わかちあいに他なりません。
そう思うと、生きることも仕事をすることも、「表現」なのでしょう。子どもたちの熱演に胸を熱くしながら、ふと自分たちの「表現」が枯れてはいないかと、足下を見直す、そんな機会にもなったのでした。

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