赤色赤光

七五三で正される

2008年11月17日

11月16日、恒例の子ども七五三法要を應典院で開催しました。25名の幼児たちとご両 親、ご家族など、会場となって本堂は満杯状態でした。かわいい子どもたちの晴れ着に、お父さん、お母さんもきちんと正装されて、会場はほんのり香気が漂う ほどでした。人生最高の幸せをかみ締めるひと時かもしれませんね。

昔、子どもの死亡率は高く、3歳、5歳、7歳は、か細いいのちが生き延びるハードルだったのでしょう、現代でも、 幼くとも「よく生きた」わが子へ親の愛は変わらないものです。願わくば、わが子のまだ見ぬ将来に期待のボールを先へ先へと投げるより、今この瞬間を希望の タッチで支えてあげてほしい。子どものがんばる気持ちも、やはり愛されていることの安心があってこそのことだと思います。

それともう一つ。毎年思うのは、この儀式の中心役の誡師を務める私自身が子どもたちに正 されることです。中央の高座に座って、儀式中に一人ひとり子どもを間近まで迎えるのですが、その無垢な瞳と表情にいつも胸を打たれます。それは、純真でか かわいい、という域を超えて、オーバーなようですが「人間の尊厳の原点」のようなものとして感じているからでしょうか。信じること、愛すること、願うこ と。そういう人間のもっとも公正な感覚が、25人の子どもたちの瞳から泉のようにあふれ出てくるのです。

「正される」と書いたのは、そういう子どもたちの無垢な問いに、私は充分に答えているのだろうかという自問のようなものです。

子育てがむずかしい時代だから、私たち大人のいっそうの責任の重さと、そして本当のやりがいについて感じないではいられませんでした。

ページトップへ