α世代の幼児たち。A I時代に、大事な3つの資本。
2026年1月19日
α(アルファ)世代というのはご存知でしょうか。1990年代後半以降の若者世代をZ世代といいますが、αはさらに若く2010年代から現在まで。まさに幼児期を生きる子どもたちのその世代に属し、その数、世界中に20億人いると推定されるそうです。世代に共通するものは、もちろんA Iネイティブ。その世代が世界や社会を変えると期待されています。
新年の日経新聞に、「α世代 AI時代、体こそ資本」という記事が掲載されておりました(1月5日付)。詳細は省きますが、AIが知的作業を急速に代替していく時代において、むしろ人間の価値は「身体」「感覚」「経験」に宿るという内容でした。私たち幼児教育に携わる者にとって、まさに本質を突くものだと感じました。
知識や技能が簡単に手に入る時代です。しかし、それは全てスクリーン上の二次元の擬似的なものに過ぎません。だからこそ、子どもたちが実際に世界と出会い、試し、感じ取り、身体を通して理解していく力が、これからの人間性の基礎基本になるのではないでしょうか。僭越ながら、パドマ幼稚園が長く訴えつづけてきたこともあります。
パドマの保育の原理である「動き・ことば・リズム」という、身体と感覚の基盤は、子どもが「自分の身体で世界と関係を結ぶ力」を育てる原点となります。また園生活を通して、他者と応答し、失敗や試行錯誤を繰り返し、自らの身体と感覚で世界をつかみ直していくことも同様です。それは、どれほどAA Iテクノロジーが進歩しても、容易に代替されることのない、人間の根源的な力なのです。
AIは不可避的に、これからの社会のインフラとなります。学習のあり方も大きく変わっていくことでしょう。それは正直私には推測の域を超えています。しかし、だからこそ、α世代の子どもたちに私たちが果たすべき役割は、子どもを「便利な道具の使い手」にすることではなく、「身体と感覚を通して世界を生きる主体」を育てることではないでしょうか。それを、今、(A Iに没頭する直前でもある)幼児期にしっかり経験していくことと心得ています。
動き・ことば・リズム。運動、ことば、音楽の日課。主体的で対話的な探究活動。こうした幼稚園の日々の実践が、α世代の生きる糧になっていく。そう私は信じています。

