赤色赤光

よく生きることの基準。ブッダのおしえ。

2014年5月9日

 教育懇談が終わり、連休が明けて、いよいよ本格的な1学期のスタートとなりました。子どもたちの歓声もさわやかに響き、はや来週から保育参観です。

幼稚園事務所のカウンターに、「ブッダのおしえ」という施本を置きました。施本とは、読んで字のごとく「お寺からお布施する本」のことで、仏教の教えをコンパクトに紹介したミニ本です。 
東京の仏教伝道協会という財団が、無償で配布しているもので、全職員とPTAの実行委員さんには先にお分けしました。どなたでも差し上げますので、ご自由にお持ち帰りください。

仏教とは、仏事のことではありません。先祖をまつるさまざまは、仏教のたしなみのひとつですが、もとは、仏教は生きる哲学であり、生きていく上での道しるべです。
時代はどんどん自由になりました。現代人は主体的な個人として生きることを望み、また社会もそのような環境をつくってきました。それはそれで尊いことなのですが、一方で、あまりの選択肢の多さに迷ってしまったり、主体性であるはず逆にわが欲望のまま、とすり替わったりしていないでしょうか。とりわけネット社会では、真実と虚偽の境目が見えなくなってしまい、それに翻弄されている現実もあります。
仏教とは生きることの基準です。手本といってもいい。自由や個性を謳歌する前に、私たちはまず何を物差しに「よく」生きるのか、それを学ぶことが必要なのです。

よく生きるための学びは、残念ながら学校ではむずかしい。家庭や地域こそそうあってほしいのですが、そこでも伝統や継承は途絶えつつあります。テレビやインターネットの情報に振り回されて、目新しいもの、新奇なものを追いかけることが、自分らしい生き方だと勘違いしていないでしょうか。

パドマ幼稚園にご縁をいただいたみなさん、園児はもちろんですが、お父さんお母さんがまず「よく生きること」を学ぶ、その基準として仏教に学んでいただきたいと願っています。
「ブッダのおしえ」はそのためのささやかなヒント集です。一読して理解できる、というものでなく、人生のいろんな局面があるごとに読み返してみてください。必ずあなたの心に染みる時があることでしょう。
そういう時こそ、子育ての心が変わるチャンスだ、とも思います。

「わが愚かさを悲しむ人あり。この人すでに愚者にあらず。自らを知らずして、賢しと称するは愚中の愚なり」(法句経)P21

 

ページトップへ