赤色赤光

信じて、待つ。1学期の折り返し。

2015年6月5日

  4月の入園、進級から5月を過ぎて、早くも6月を迎えました。1学期の折返しです。
私はよく幼稚園生活を飛行機の空路にたとえて説明しますが、たとえば1学期が離陸、2学期が安定飛行、3学期が着陸というふうに。それを1学期になぞらえて申し上げれば、5月半ばまでが離陸で、そこから安定飛行となって、7月のサマースクールあたりで着陸でしょうか。今は、シートベルトも外して、ちょっと園生活も落ち着いてきた頃です。
教育とは、何かをする(与える)営為であることに違いありませんが、たいせつな幼児期の今は、同時に何をしないでいるか、というルールもあります。子どもに命令しない、急かさない、求めない。それは言い換えると、「与えて、待つ」という忍耐を要します。
個性とか自由とかもてはやされる現代では、忍耐は流行らないかもしれません。何でも過剰なまでに与えることをよしとする、親の勘違いもあります。現代人は、待つことが苦手なのです。
では、園生活において、なぜ担任の先生は待ち続けることができるのか。それは、教師たちが子どもの発達を信じているから。今はこうでも、年中、年長と必ず成長していくことを知っているから。信じて、待つ、のです。
信じるとは、つまり祈ることでもあります。着々と目には見える成果はないが、信じて待てば、知らぬ間に育まれていく。毎日の般若心経で、心が育つことも同じです。育てるというより、育っていくのです。ですから、教師には、「自分が」「自分が」という自我欲求ではなく、子ども自らの内的な成長に任せていく「信心」が必要なのです。パドマ幼稚園が仏教園である所以がここにあります。    さて、入園2カ月の年少さんのお母さんにも変化が見られます。4月入園してから、保育参観、クラス会、そして親子遠足、さらにPTA親睦会と保護者どうしの親しみも生まれてきます。年少の担任は異口同音に言います。
「クラス会でお顔馴染みができて、親子遠足で仲良し親子でお弁当をいただいて、親睦会で本音で交流して…とてもいい雰囲気です」
親が落ち着けば、子どもも落ち着きます。お母さんどうし仲よしあれば、クラスの子どもたちもまとまります。これは園生活の鉄則なのです。(RE)

 

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