赤色赤光

いのちのお世話をする。朝顔栽培

2015年6月12日

年長児全員は、5月7日・8日からあさがおの栽培活動に取り組んできました。子ども一人に3粒の種と土、それに鉢を配り、「Myあさがお」の生育に努めてきました。あさがおを育てるのは、植物のいのちをお世話するということ。自然に親しみ、「いのち」を育む喜びを学ぶことが活動の目的です。
毎日、水やりを楽しみながら、子どもたちはあさがおに語りかけていました。
「あさがおくん、おはよう」
「もっと水がほしいですか、早く芽を出してね」
教室前の日向で、子どもたちが愛おしむように語りかけるのは、毎日の光景でした。

幼稚園がいちばんたいせつにしたいのは、あさがおを育むことによって、子どもたちに「いのち」を愛おしむ心を育てるということです。
「Myあさがお」には、どの子どもたちも深い愛着を持っています。花屋さんに並んだ立派な花とは違うけど、自分たちが心をこめて育てたあさがおは、世界でいちばん尊いものだと思います。
子どもがそうであるように、「いのち」は誰かのお世話を受けなければ、生きることはできません。いのちのお世話には、人間として生きていく大事な役割に気づくという、もうひとつの意味があります。
時に、水をやりすぎて、失敗することもありますが、それも子どもにとってたいせつな「経験」です。時には、願い通りに育ってくれないあさがおもありますが、そのことを嘆くのではなく、その経験を生かしてくれることも一つの通り道だと思います。よく育てることは、ほどよく愛を注ぐということ。「いのち」とは、育つものと、育てるものの、協同作業なのです。

仏さまにも、必ず花を供えます。その由来としては、いろいろありますが、仏教の修行である「六波羅蜜」のひとつ、「忍辱(にんにく)」を表す、という説があります。「忍辱」とは、堪え忍ぶと言う意味で、花が一度供えられると短くとも懸命に咲き続けようとするから、そこから人間の、仏に対する誓いとして花を活けるといわれてきました。
堪え忍びながら、精一杯咲く、世界でたったひとつのあさがお。子どもはその健気さとひたむきさに、言葉では代えられない大切なものを感じ取ってくれていることでしょう。

今日まで一生懸命お世話をしてくれた、わが子の心に、「ありがとう」と感謝してあげてください。

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