赤色赤光

やさしく、ていねいに暮らす。夏休みの家庭生活。

2009年7月17日

1学期が無事終わりました。長い夏休みが始まりますが、この休みの間、家庭生活はどうあればいいのでしょう。幼稚園からはいろいろな課題が出されていますが、課題が生活を縛るものであってはなりません。課題は、ふだんの家庭生活を見直すきっかけとしてほしいと願っています。

子どもと歩調を合わせて歩くとよくわかりますが、子どもは大人とまったく違うものを見ていることがあります。大人が目的地に急ごうとしているのに対し、子どもはそこまでに出会ういろいろなものを興味深く眺めている。私たち大人には当たり前の事物も、子どもには一つ一つ発見なのでしょう。歩くことは、気づきの連続なのです。

夏休み、子どもの歩みで暮らしてみませんか。そう思ったのは、「暮らしのヒント集」(暮らしの手帖社)という本を読んだからです。「まいにちの暮らしを美しくする469の工夫とアイデア」と帯にあるように、何と言うことはない、けれど忘れがちな生活の知恵、提案、戒め等がたくさん載っています。2、3紹介すると…
「テーブルにコップを置くときは、しずかに置くことを心がけましょう。やさしいしぐさが気持ちをやわらげます」「一人のときでも、いただきます、ごちそうさま、おはよう、おやすみなさいと言葉にしましょう。それが暮らしというものです」「今日は一歩ゆずってみましょう。その一歩が、そのまま新しい一歩を進めるちからになるものです」…
この本を読むと、しあわせな暮らしとは、お金で買うものではなくて、目に見えない心持やちょっとした工夫、気遣いであることが分かります。基本は、やさしく、ていねいであること。そのマインドは、子どもの歩みとよく似ています。

ていねいに生きることは、気づきを促します。自己の気づきがあれば、はたらきは自ずと思慮深くなります。いままで見落としていたものが見えてくる。新幹線の窓からは見えないが、各駅停車の窓外からは、向こうで手をふる人の姿にも気づきます。子どもに歩みも同じです。家庭生活とは本来そういうものではないでしょうか。
この夏休み、家族イベントも盛りだくさんのことと思います。生活習慣をきちんとつけることも意義深い。けれど、それ以上にたいせつにしたいのは、暮らしをしっかりと努めることです。衣食住をともにする、家族が互いを思いやる、みんなで協力する、ルールを守る、そしていつも微笑みを絶やさない。そういう当たり前の暮らしが土台にあって、習慣や活動は活きてきます。

さきほどの本に倣って、こんなヒントをひとつ。「一日一回、わが子に『ありがとう』」と感謝を言葉にしてみましょう。きっと一日の暮らしが幸せになります」
微笑みにあふれた夏休みにしていただきたいものです。

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