赤色赤光

共感の総意をつくりだす。手作り絵本を、園児みんなに。

2019年9月20日

いま各クラスでは年長児作の「夏休み手作り絵本」の読み聞かせが続いています。

これは、年長5歳児が家族と一緒に作った世界で一冊だけのオリジナル絵本ですが、今回からこれまでのコンクール形式を改め、全クラスにおける輪読会としました。順番を決めて、年中・年少・最年少どのクラスでも120冊すべての絵本を紹介することとしました(11月頃まで続きますが)。

もちろん力作揃いゆえですが、子どもたちがじっくり見る・聴く姿勢にちょっと感動します。名作絵本とは明らかに違う、一つ上のお兄さんお姉さんのハンドメイド感が伝わってくるのでしょうか。その中身も「旅行記」「観察記」から、「釣り日誌」「お好み焼き体験記」まで身近なもの、興味のあるものばかり。等身大の好奇心や共感が育まれていくのです。

 

なぜコンクール形式を取りやめたのか。理由があります。

もちろん選者の先生に選んでいただくよろこびや誇りは意味のあることなのですが、これは作品の優劣をつけること自体が目的ではありません。長い伝統で続けてきたものへの愛着もありますが、子ども一人ひとりが書いたり作ったりしてきた、かけがえのないものへの評価は、コンクールだけではありません。一人の専門家が選んだ結果よりも、子どもたちの共感こそ園の総意としてつくりだしていきたいのです。

誰かが金賞であれば、そうでない誰かもいるわけで、また「書く」以外にも子どもが本領を発揮する機会はあることでしょう。運動しかり音楽しかり、です。よくできている/できていない、ではなく、みんなががんばっていることに対する承認や賞賛こそたいせつにしたいと思います。

今後は、絵本同様に読書感想文や新聞づくりコンクールなども見直してまいります。

子どもにいちばん近いのは子どもです。物語はもちろんのこと、画面に塗り込んだクレヨンの匂いや、貼り込んだ色紙や毛糸の手触りも含めて、小さな子たちは素直に反応をしてくれている。そう思うのです。

 

 

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