赤色赤光

みんなの中のあなたを想う。 PTA仏教教室。

2023年5月8日

4月28日と5月1日の2回、初めて「PTA仏教教室」を開催しました。会場は大蓮寺本堂。厳粛な雰囲気の中、ちょっと緊張気味の保護者の皆さん60余名が参加してくださいました。

パドマ幼稚園は仏教の幼稚園です。それもお念仏や般若心経を唱えたりでかなり徹底しています。それは入園前から保護者の方も十分ご承知なのですが、しかし、入園してからは、参観や行事で「見るばかり」で、保護者が子ども同様にお作法を体験する、ということはありません(玄関ホールでの合掌一礼はありますが)。ならば、今年70周年を記念して、試しにやってみようとなった次第。私と、弟子の村木健光、沖田都光3名の僧侶でお世話させていただきました。
パドマ幼稚園の仏教教育のねらいは、もちろん宗教情操の涵養はありますが、私はまずは伝統の身体技法(型)を通して、畏敬の念を育む、聖なるものとつながることと考えています。見えないものを信じる力、あるいは見えない力によって支えられている他力の感覚こそ大事な宗教教育の目的です。それは子どもを授かり、尊いいのちを育むことに通じるのではないでしょうか。

当日は、園児が毎日勤めている仏参を再現し、また瞑想や焼香、法要を経験していただきました。私からはお釈迦様の生涯についても、子どもと同じく紙芝居を使ってお話ししました。初めてお寺でお作法するという方もあったかもしれませんが、実に真摯でまた求道の心を感じさせていただきました。ありがたいことです。子どものため、というより、子どもという清らかな存在を通して、私たち大人が自分の生き方、ありかたを見つめ直そうとする、そういう尊い時間になったと思います。

瞑想中に、隣の園舎から子どもたちの歌声が風のように聴こえてきました。姿は見えないが、遠くにあって子どもを想うこと。みんなの中のあなたを想うこと。み仏の名を南無弥陀仏と呼びながら、お寺の幼稚園にとって至福の経験となりました。ありがたいことでした。南無阿弥陀仏。

ページトップへ