赤色赤光

励まし合った年長鼓隊演奏。よろこびこそ生きる力の源。

2016年10月12日

  去る8日、運動会が盛大に開催されました。前日まで雨予報にやきもきしていたのですが、みんなの願いが届いて、晴れ間も見ました。

 思いがけないトラブルがありました。運動会の花形、年長児の鼓隊演奏中に、突然音響がストップしたのです。いきなり音が切れて、音楽が一時中断。3分、5分…スタッフが懸命に修復にあたっていますが、なかなか再生できず、私もそばで気が焦りました。そのことをお詫びしなくてはならないのですが(原因は操作上のミスではなく、経年劣化と判明しました)、感銘したのは、その間、グランドに佇んだままの120人の子どもたちの様子でした。
空からは陽が指し、千人を超える観客の視線が集まる中、肝心の音楽が途切れた状態で、動揺や不安があったことと思います。にもかかわらず、すくっと立ち姿のままほとんど動かず、長い待機をしてくれた、その姿勢と心に、感激したのでした。
その凛々しさに、年中さんが「がんばれー」と声援を送り、年長観客席からも拍手の渦が起きたのでした。役割をしっかりやり遂げようとするたくましい意志と、それを応援する子どもたちと家族のみなさん。競技とは別に、運動会の本質を見た思いがして、胸が熱くなったのでした。

 

 もちろんその感動は、運動会の随所に見られました。
例えば、駆けっこで、 コースを懸命に走る友だちを周辺から応援する友だちの姿。友情とはこの年齢の場合、励まされて励む、その姿に結晶化されています。順位や勝ち負けなど励みの一助に過ぎません。だいじなことは、子どもが一緒に励むよろこびであって、鼓隊の折もその励ましあいが子どもたちを支えたのだと思います。

 2学期になって、同じクラスの仲間どうしの仲間意識や連帯意識が高まってきました。仲間どうしが協力して、ひとつの目標を達成していく。運動会では、最年少のはじめての演技も披露されました。年少年中では、学年全体の共演もありました。年長児4クラス全員で取り組んだ組体操は華ともいえるものでしょう。 誰ができた、できないではない。園児全員が一体となって励みながら得たそのよろこびこそ、運動会が目指すものなのです。

 育ちの秋といいますが、運動会を転機にして、園児たちは心身ともにぐんと成長します。みんなとやり遂げた達成感や充実感、そしてお父さんやお母さんの応援や賞賛による意欲と自信。私はその「よろこび」こそ、子どもたちの「生きる力」に直結していると考えています。

 最後に改めて、音響トラブルがございましたこと深くお詫び申し上げます。

 

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