赤色赤光

出席率97.53%というよろこび

2010年5月17日

去年の5月20日、新型インフルエンザの猛威により幼稚園が4日間の休園を余儀なくされました。57年間の幼稚園の歴史で、かつてなかったほどの「事件」でもあり、その影響は長く秋まで及びました。園長就任1年目の私にとって、誰も予測できない事態はある意味でいちばん印象に刻まれた出来事でありました。

幼稚園は去年 5月27日に再開しますが、私はブログに「臨時休園の幼稚園は、人影なく、さびしい光景でした。幼稚園の主(あるじ)はやはり子どもたちだとつくづく感じました」と書きました。子どもたちの元気な声があふれてこその幼稚園なのです。

さて、今年はその災禍が嘘のように、平穏な5月を過ごしています。入園児たちも当初の大泣きも静まり、だんだんと幼稚園が平静を取り戻しつつあります。

月が変わって、しばらくすると毎月の出席データが学務から出されるのですが、びっくりしました。4月の出席率、最年少96.12%、年少97.48%、年中97.58%、年長97.76%、全学年平均 97.53%という結果は、恐らくどの幼稚園でもあり得ないほどの好成績ではないでしょうか。もっとも欠席のすくなかったあるクラス(99.08%)は、 4月の保育15日間、休んだ子どもはのべ4名でした(ちなみに5月も14日現在、全学年出席率は97.07%)。

なぜ子どもたちは休まないのか。

もちろん、何よりもご家庭のあたたかな励ましがあってのこと。とくに入園児にとっては、劇的な環境の変化ですから、拒否反応があって当然のこと。そのことを素直に受け止めてくださって、1ヶ月間、励まし続けてくださったご両親の努力あっての結果だと感謝しています。幼稚園でも、担任がしっかりと子どもたちのがんばりを受け入れています。家庭と幼稚園協力の賜物といえるでしょう。

それ同様に、たいせつな理由は「幼稚園が楽しいから」ではないでしょうか。最初は不安が大きかった新しい園生活も、次第に子どもの心とからだに馴染みはじめ、新しい仲間や新しい先生との「出会い」を楽しんでくれています。

人間は、いくつもの「出会い」を重ねながら、成長していきます。少しずつ「出会い」のエキスを溜め込んでいくように、子どもは「集団の子ども」として成長していきます。入園、進級はダイナミックな「出会い」の季節。その根っこに、日々の努力があることを忘れてはなりません。

出席率は単なるデータではなく、子どもたちの励みのしるしに他ならないのです。

ページトップへ