赤色赤光

家族のきずなを、考える。

2010年7月14日

 昨日、読売新聞主催の第3回「家族のきずな」フォーラムに出演してきました。会場のよみうり文化センター千里中央は600名を越える聴講者で満杯でした。
私が出演したのは、1部パネルディスカッション「思いやり育てる、家族の力」。テレビでもおなじみの川柳作家やすみりえさんと一緒でした。

壇上での、私の発言を断片的に紹介すると‥。
「私たちは遊園地やショッピングしている際に、家族の絆は感じない。不思議なことに、ふだん当たり前のものを失うとき、家族の力を感じることがあります。若さとか健康とか、生きていることとか、まさに生老病死の場面で絆はくっきりと立ち現れる。在宅ホスピスで(自宅で)家族を看取った人の多くは『(亡くなった)おじいちゃんからたいせつなものを教えてもらった』『いのちをたいせつに生きていこう』と言います。いま当たり前のことが当たり前でない、ということに気づく、感謝する。目線を低く日常を見つめてみたら、意外に絆を感じることは多いのかもしれません」

 「(仏教幼稚園の)教育の目的は、畏敬の念を育むこと。目には見えない大きな力に、支えられているという絶対の安心感があって、子どもは外へ一歩踏み出すことができます。その大きな力は、日本の場合、古くからご先祖様が担ってきました。私たちは日常、見知りしている『ヨコの関係』」で生きていますが、ご先祖さまとは『タテの関係』。亡くなった両親、親族、お世話になった先生や上司など、タテの関係を知ることで、目には見えないつながりに気づきます。人間はひとりで生きているのではない。長い長い時間を経て、こうして家族がいて、私が生かされていることに気づき、それがいろいろなご縁に恵まれた『おかげさま』の心を育むと思います。もうすぐお盆、ぜひご先祖様を家族みんなで迎えたいものです」

 「理想の家族像なんて、テレビのようにうまくいかない。どこかに理想の頂点があるのではなく、ただ淡々と日常を繰り返していくうちに、どこかでこれが理想かな、というような場面に出会うのかもしれない。うちの幼稚園では『しつけカレンダー』があって、皆で同じ月訓を掲げて、園でも家庭でも励行しています。たとえば『あいさつは 大きな声で 元気よく』という生活目標を掲げ、大人も子どもも励んでいく。そういう親子共育の積み重ねがあって、理想というものが見えてくるのかもしれません。むろん、うまくいかないこともあります。理想に走りすぎては、つぶれます。ま、いいか、と自分を許せる寛容さもたいせつだと思います」

 短い時間で言い尽くせないところもありましたが、詳細は8月7日の読売新聞紙上で再録されるとのこと、そちらをご覧ください。

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