赤色赤光

2008年、幼稚園のファイナルです

2008年12月23日

12月22日、パドマ幼稚園は2学期終業式、まだ一部は日程を残していますが、忘年会もあって、大半の職員が今日で2008年の仕事納めとなります。午後からは職員集会を開き、私から55周年に至る道のりをふりかえり、先生方を前に話をしました。

根拠としたの は、昭和48年、創立20周年の記念誌に掲載された、園長の回想録。創立当初の苦難から、次第に発展していく幼稚園の創成期の頃が年表に沿って記されてい ます。ここでくわしくは紹介しませんが、随所に、当時20代から30代の若かった園長の喜びと悲しみがあふれており、今も読み手の胸を打ちます(ちなみに 私は個人的には園長の書いたもので、この回想がいちばん好きです)。

例えば、、創 立の前日、ベテラン教諭赴任の日、当時若い主事(現園長)がみすぼらしく、貧相だったので、寺男に間違えられた話(昭和28年)、園児募集で個別訪問を繰 り返し、目標を達成できたときには、「うれしくてひとり祝杯をあげた」話(昭和34年)。自宅に帰着寸前で(当時はすべて徒歩の送迎でした)、園児が交通 事故に遭って看病むなしく遂に亡くなった話(昭和38年)等々…、今の職員にはあまり想起できない当時の様子が綴られていました。

なつかしさに耽るわけでも、苦労話を自慢するわけでもありません。だいじなことは、私たちの「現在」は、「過去」を通してしかわからない、ということ。「過去」だけが「現在」を相対化できるのであって、「現在」だけが絶対となってはならないと思います。

多くの先生たちは「初めて聞いた話」だったようです。「感動しました。その園長先生の回想録、読ませてほしい」とある教師が申し出てくれました。

年末のひと時、謙虚に「過去」に問いかけて、自分の「現在」を考える機会となればうれしいです。この一年、みなさん、おつかれさま。ありがとう。

ページトップへ