赤色赤光

新たに卒業証書授与式へ。心からの喝采を。

2021年2月10日

1月28日付の大阪府教育庁私学課から厳格な通達「令和2年度卒業式に係る留意事項」が、大学から幼稚園まですべての私立学校にありました。要約すれば、今年の卒業式はやってください、しかし、感染対策は完璧に。要件が満たせないなら、歌や発声は禁止します、という内容です。

その要件とは、文書を引用しますと、
「卒業生や教職員、保護者等の出席者の身体的距離については、1m程度または座席1席分の確保すること」
「会場において卒業生・教職員の前後方向および左右方向ともに2m(最低1m)確保できる場合においては、校歌の斉唱、卒業の歌等の合唱等を行うことができる」
のであって、これが難しいのであれば、
「校歌、卒業の歌等は、原則として発声せず清聴等とすること」
というものでした。

文末には、
「令和2年度卒業式については、緊急事態の解除の有無にかかわらず、上記対応により実施することとする」とありました。
124名の年長児がこの要件を満たすことは、園庭でも困難です。これまでの全年長児が一堂に介しての実施は不可能と判断しました。

では、このよろこびの日を園児、保護者とともにわかちあうには、どう考えればいいのか。職員と一緒に考え出しのが、「卒業証書授与式」でした。去年の卒業式ではできなかった、卒業生一人一人への証書授与を、124名全員に対し実施しようというものでした。

いうまでもありませんが、卒業証書授与こそ卒業式の花です。その他の次第が短縮されたとしても、これだけはきちんと務めて、卒業を心から祝する。それが、幼稚園の考えた結論でした。
残念だという声もあるかもしれません。いや、対策は十分とってほしいという声もあるでしょう。それぞれです。しかし、誰もが忘れることのできないこの1年を、卒業証書授与をもって締めくくることに異存はないと思います。子どもたちは皆、胸を張って、園舎を巣立っていってくれることでしょう。

始まりには終わりがあり、終わりはまた新しい始まりでもあります。幼稚園を卒業して、新たに小学校生活が始まります。子どもにとって、異例も、縮小も、ありません。ただ一度限りの新たな旅立ちの日です。み仏様に見守られ、大きく育った子どもたちの晴れ舞台、どうか心からの喝采を送ってください。

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