赤色赤光

■自分で選ぶ、自分で決める。子どもの主体性とは。

2023年1月27日

成道会遊戯会で注目を集めたのは、年長児のヒップホップダンスでした。衣装は、クラスごとにデザインの違うTシャツでしたが、子どもたちがみんなでテーマを決め、銘々に絵具で描いたもの。統一感はあるが、同じものは一つもない、という仕上がりは舞台映えしました。

来月の音楽リズム発表会では、年長・年中児の合唱曲は自分たちで決めました。いくつか候補曲を聴いて、自分とが歌いたい曲に投票したのです。また本紙にあるように、先月のお店やさんごっこの商品も、子どもたちの意見が反映されています。何事も、自分たちで選んだり判断したりする経験が増えています。

コロナになる以前から日本の学校教育は大きな変化を遂げてきました。これからの社会は予測困難であり、未来を生きる子どもたちには自らの人生を自ら切り拓き、また自らの生涯を生き抜く力を培っていくことが必要となります。すべての学校園教育にとって、「主体的・対話的で深い学び」とは喫緊の課題であり、コロナはそれに拍車をかけたと言えるでしょう。

では幼稚園教育はどうあるべきなのか。

当園も2年前から保育方針に「集団のあそびとじぶん主体のあそびの両立」を掲げ、今年度からは、いっそう個々の主体性が見て取れる保育が推進されました。子ども会議や共同制作、おもちゃなどはその典型ですが、子どもの主体性とは、何かの活動に集約されているわけではなく、あらゆる活動や行事の中にもたくさんのきっかけがあります。

前述した衣装作成や歌曲の決定もその一つですし、普段の園生活の中でも、「自分で選ぶ・自分で決める」場面はたくさんあります。大事なことは、そのために先生が、どんな環境をつくり、どんな言葉をかけ、そして、子どもの心が動くのを促すのか、そこにこれからの幼稚園教育の本筋があります。

もちろん集団であそぶダイナミックな保育も主体性のだいじな素地をつくります。仲間とともに多様な経験を重ねながら、自分で「選ぶ・決める」確かな主体性の芽が吹いていくのです。

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