赤色赤光

いのちの有難さを歌う。音楽リズム発表会、終わる。

2024年2月14日

インフルエンザが猛威を振るう中、去る2月10 日に音楽リズム発表会が開かれました。当日、残念ながら欠席を余儀なくされた子ども多数おりました。

振り返れば、今年は早々から数々の災厄がありました。地震、大事故があり、また夏になれば熱中症、台風と、私たちは世界有数の災害国を生きています。慣れもあるかもしれませんが、それでもそのたびに畏れや慄きを抱きます。そして、親であれば、誰しも「わが子を守りたい」と思う気持ちは同じでしょう。今日の発表会の意義もそこにつながっています。

 

園長の立場から申し上げれば、幼稚園は教育の前に、「いのちの尊さ」「いのちの安心」を保障することこそ第一の使命です。「安心」「安全」を優先するということは、決して消極的になるとか、前進を止めることではありません。かけがえのないいのちを想うからこそ、いまを大切にしなくてはならない、と思います。
つまり、普段当たり前と思っていることに感謝して、日常の中の新たな気づきや発見を大切にすること。今日あるおかげを知ることです。前のめりではなく、ていねいに足元を見つめながら、一歩一歩進んでいく、そういう謙虚さ、確かさを思うのです。

発表会は特訓してできあがるものではありません。むろん3学期から練習は始まりましたが、それも1学期から積み上げてきた毎日の生活や習慣があってこそ。歌唱力や演奏力をよろこぶ前に、まずクラス集団で取り組む心情や意欲、態度に拍手を送ってあげて欲しいのです。
「ありがとう」とは、漢字で「有り難う」と書きます。仏教では、人間に生まれることは、「有ることが難しく」、そのおかげを喜ぶべきと教えます。友だち、先生、そしてお父さん、お母さんへ、子どもたちはいのちの尊さを歌い上げたのです。

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