■運動あそびと非認知能力。夏休み、親子一緒に体を動かそう!
2024年7月16日
いよいよ夏休み、家族で旅行やレジャーのご予定もおありでしょうか。最近の子どもの運動しない」傾向はますます大きくなっており、必然幼児の体力や運動能力低下も指摘されています。とくに、家庭や地域において顕著。それを裏づける初の全国調査の結果が発表されました。
笹川スポーツ財団の「幼稚園・保育園以外における幼児の運動実施の実態調査」(2024年4月)がそれで、家庭や地域といった「園外」において、幼児がどれほど運動しているか統計したものとして注目されました。
それによると、平日、外で「全く外遊びをしない」幼児は約半分、1週間のうち園外で「1日も外遊びをしていない」幼児は8.1%存在するといいます。また運動頻度が低いほどスクリーンタイム(テレビやネットなど画面に釘付け状態)が長く、驚いたことに年長の8.8%が「スクリーンタイム5時間以上」の最高値を出したといいます。
理由は他にもいろいろあります。「公園で自由にあそべない」「習い事が忙しい」「一緒にあそぶ仲間がいない」等々、体を動かしたいのにままならない今の子どもたちの「事情」があります。昔からいわれる、三間(時間、空間、仲間)がないのです。
幼児の場合、運動あそびの効果は健康や身体能力の向上だけではありません。
自分の体をコントロールできるようになると自己肯定感も高まり、他者とつきあう社会性や自制心、目標を達成する実行力や挑戦力など、「非認知能力」発達に大きな影響を与えます。幼少期の運動の経験が、将来の学力にも関係しているといわれます。まさに幼児期の運動は、今が育つべき最適期なのです。
上記の調査は「幼稚園や保育園以外で」という条件付きでした。逆に言えば、毎日の園生活ではそれだけ子どもたちの運動あそびは担保されているのですが、夏休みとなれば家庭の役割、親の関わりがたいせつとなりましょう。猛暑の中、外出するのも控え気味になりますが、せっかくの夏休み、安全に十分配慮しながら、できるだけ工夫をして(もちろん家の中や屋内でも構いません)、親子で何かに取り組んでみませんか。同調査でも、「親子で一緒に体を動かして遊ぶ頻度が多いほど、幼児の園外での総運動時間が長い」という結果が出ています。
「今の子どもは、あそばない」と言いますが、「あそばない」のではなく「あそべない」のです。そんな環境を少しでも改善するのは、私たち大人の役割です。
さあ、夏休み! 親子一緒に体を動かして、楽しくあそびましょう。